超高分子量ポリエチレン樹脂はエンジニアリングプラスチックの中では温度による寸法変化が一番大きい部類になります。線膨張係数が20であり、MCナイロン:9の2倍、PEEK:5の4倍もの値です。ちなみに超高分子量ポリエチレン樹脂で使用頻度が高いレールなどの場合、2000Lのレールを室温20℃で加工して30℃の現場で取付をすると想定した場合、線膨張係数を掛けるとなんと!! 全長で4mmも伸びてしまいます。これでは作業になりません。設計段階ではその様な想定はされていないため、よくトラブルも発生します。樹脂切削加工業者としては図面の寸法公差内に入れるため、室温をなるべく一定温度に安定をさせて線膨張係数も加味しながら加工を行います。そうすることでJIS基準の温度内での公差を出すことが出来るので、基本的に加工時と同じ条件下で使用して頂くことが寸法公差の条件となります。
樹脂切削 お悩み相談室
超高分子量ポリエチレン樹脂の温度による寸法変化について
Q.
超高分子量ポリエチレン樹脂の部品を使用したいのですが、温度で寸法が変わると聞いていますがどの程度変わるのでしょうか?
A.