樹脂でローラー加工を検討中と言うことですが、まず樹脂で製作する場合のメリットとデメリットを考えることが必要だと思います。
樹脂でローラーを製作する場合のメリットとして一つ目は 『軽量化』 が出来ると言ことです。金属から樹脂への置き換えであればかなりの軽量化につながり、設備全体の軽量化やコストダウンにつながります。
二つ目は 『騒音の軽減』 です。現場で作業する作業者への働きやすさや、工場近隣への配慮にもつながります。
三つめは『錆びない、水や薬品に強い』と言うことです。食品関係のラインなどでは、ラインの洗浄はつきものです。水洗い、スチーム洗浄、薬品洗浄など様々な方法でラインの洗浄が行われます。もちろん、ステンレスやアルミは水では錆びませんが、酸やアルカリなどの薬品には対応が出来なかったりします。この錆びない・水や薬品に強いという樹脂の特徴が、一つ目・二つ目の特徴にプラスされると金属は樹脂にはかなわないことがお分かりいただけると思います。
四つ目は 『色分けや混入防止』 が出来ることです。樹脂には白・青・緑・黒など一般的な色以外にも赤・黄色などの色があります。金属系だと色を塗らなければなりませんが、樹脂であれば素材そのものの色を使用できます。
五つ目はそれぞれの特性から素材を選ぶことが出来ることです。滑りが良い物、付着しない物、帯電防止や導電性のもの、耐薬品性、耐熱性など様々な素材からのチョイスが可能です。
一方デメリットですが、樹脂は金属と比較するとどうしても強度が劣るため、重量物の搬送には使用できない、また特にエンプラやスーパーエンプラと呼ばれる樹脂は、金属・非鉄金属に比較するとコストが割高になる、などが挙げられると思います。重量物に関しては金属系にはどうしても及ばないです。コストに関しては先程のメリット面との比較に成ります。
こうして考えていくと、ある程度道筋が見えてくると思います。樹脂ローラーを選択する場合には、使用環境や重視するスペックに応じて、樹脂であればMCナイロンやPOM、超高分子量ポリエチレン、テフロン、PEEKなどから最適な樹脂から選びます。樹脂ローラーにする目的と使用条件さえ分かれば素材の選定は可能になるのです。
なお、加工形状や寸法精度などについては、設備能力やノウハウの違により樹脂切削加工業者毎に違いがありますが、プラスチック切削加工.comを運営するケイプラビジョンでは、様々な大きさ、長さ、形状の加工実績がありますのでまずはお問い合わせを頂ければと思います。