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樹脂切削 お悩み相談室

導電性のテフロン(PTFE)で加工品を製作したい。

Q.

現状導電性のMCナイロン(MC501CDR2)を使用しているが、非粘着性が必要なためテフロン(PTFE)にしたいが導電性に対応した素材はあるのか?

A.

テフロン(PTFE)には導電性や帯電防止に対応した素材は各メーカーとも基本的にはありません。通常のスーパーエンジニアリングプラスチック、エンジニアリングプラスチックはカーボン繊維やカーボンブラックなどを充填することにより、導電性や帯電防止機能を付加させることが出来ます。テフロン(PTFE)にも同様の充填剤入りの素材もありますが、実はテフロンは他のスーパーエンジニアリングプラスチックやエンジニアリングプラスチックなどとは製造方法が異なり均一にならず導電性を持たせることは基本的に難しいのです。

というのも、多くのプラスチック素材は、原料を熱して液体状にした上で型に流し込み冷却することによって成型を行います。一方、テフロン(PTFE)の場合は、原料を熱しても液体状に成らないので、パウダー状の原料を型に入れ熱を加えて押し固めます。その為、他のスーパーエンジニアリングプラスチックやエンジニアリングプラスチックの様に、液状化した原料にカーボン繊維やカーボンブラックを混ぜるのではなく、パウダー状の原料に混ぜる為、均等に混ざらないのです。実際には、充填剤を入れているので全く導電性がない訳ではないのですが、バランスが悪くメーカーとして保証が出来ないため、テフロン(PTFE)の導電性や帯電防止の素材が存在しないのです。

しかし最近では、上記のような製造上の課題を解決した、10¹~10⁵Ω,cmの導電性を持つテフロンの原料も出てきているようです。この導電性テフロンは最低製造ロットなどの制約もある為、気軽に使うことはなかなか出来ないところですが、ご要望がございましたら『プラスチック切削加工.com』までご相談下さい。