超高分子量ポリエチレン樹脂(正式名称:Ultra High Molecular Weight PlyEthylene 略称:UHMW-PEとも呼ばれる)とは、ポリエチレン樹脂の中でも分子量が400万以上のものを言います。一般的に樹脂の分子量が大きくなるといろんなメリットが生まれ、引張強度や衝撃強さが向上したり耐熱性や耐薬品性も良好になり、品質が向上するのですが、この超高分子量ポリエチレンも同様です。
超高分子量ポリエチレン樹脂の特徴である耐衝撃性や耐薬品性は、まさしく分子量が大きくなったことによる恩恵を受けた証しだと言えます。それ以外の特徴として挙げられるのが、耐摩耗性と自己潤滑性です。その特徴から、レール、スターホイール、スプロケット、ローラーやライナー、ホッパーやサイロなどに、また分野別では食品機械、梱包装置などの搬送システムで多く使用されるとてもポピュラーな素材です。その他、名称(呼び方)も各メーカーにより様々で、タイバー、UHMW-PE、ニューライト、ウルモラー、ソリジュールなど多彩です(まだまだあります)。また、分子量の違いもメーカーにより差が有る様で、400万~900万位の開きがあります。従って、切削加工後の寸法安定性や反り発生の有無などは、この分子量の違いから来るのではないかと思います。さらにグレードも沢山あり、一般グレードから導電性、帯電防止、耐摩耗や低摩耗のもの、また、食品向けでは青色(一般色は白)の異物混入防止対策用のものまでと、多用途向けのグレードが揃っています。
こうした多種多様な超高分子量ポリエチレンの選定に当たっては、使用用途などによりメーカーやグレードの選定が必要となりますので、専門の樹脂加工業者のアドバイスが不可欠です。その様な場合には是非プラスチック切削加工.comへご相談をお願いします。様々な形状や寸法精度またグレードでの加工実績がありますので、いろんな提案や解決策をご提示できると思います。超高分子量ポリエチレン樹脂は加工が難しい素材であり、特に注意が必要なのは、温度による寸法変化です。線膨張係数が20とエンジニアリングプラスチックの中でも一番大きな値なので、加工後に寸法が変わることはザラです。いくら加工現場で温度管理をし加工を行ったとしても、保管の仕方や使用する現場の環境などを考慮することなく設計を行うと、取付が上手く出来なかったり、取り付け後使用中にトラブルになったりすることもあるので十分注意が必要です。