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プラスチック博士のブログ

ネジ・ボルトに使用される樹脂の材質と製作・加工方法について

1.樹脂ネジ・ボルトに使用される材質

樹脂製のネジ・ボルトに使用される材質は主に、PEEK、PTFE(テフロン)、PCTFE、PPS、RENY(6ナイロンガラス入り)、PVC(塩ビ)などがあります。よく見るとザ・プラスチックという顔ぶれで、ほとんどがスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる高価でハイスペックな素材ばかりです。やはり金属で対応しきれない部分、例えば耐薬品性や絶縁性また軽量化や錆びの問題をカバー出来るという強みで選定をされます。樹脂素材の価格は通常金属より高いので、先程の様な樹脂によるメリットが出る場合に使用されることに成ります。

 

 

2.樹脂ネジ・ボルトのネジ規格

樹脂製ネジ・ボルトの形状は様々で、Mネジをはじめ、ユニファイネジ、PFネジ、PTネジ、NPTネジなどの締結用に使用されるネジから、台形ネジの様な搬送や位置決めに使用されるネジなどがあります。樹脂製のネジボルトの場合、荷重がかかる台形ネジなどにはあまり用途がありません。それは金属に比べ強度の問題や摩耗などの弱点がある為だと思われます。一方で締結用ではよく使われるようで、やはり樹脂の特性を活かした耐薬品性や絶縁性などの用途としての使われ方がメインになります。

 

3.樹脂ネジ・ボルトの製造方法

ネジ・ボルトは一般的に規格もので大量生産が行われます。樹脂製のネジ・ボルトについても同様で、多くの製品は射出成形による大量生産が行われます(Mi社やMo社などで販売されているものは成形品)。しかし、射出成型による樹脂製ネジ・ボルトですべてのサイズを網羅している訳ではなく例えばMネジではM1~M8位までしかありません。

そこで、小さいネジ、Mネジ以外の特殊な規格のネジ、あるいは特注品やロットが少なく射出成形を行うとイニシャルコストがペイできないような樹脂ネジは、切削加工により製造されることになります。もちろん樹脂ネジ・ボルトの切削にあたっては、MネジとPFネジに使うネジ切りバイトは仕様が違うので、基本的にはネジ規格ごとにネジ切りバイトを保有していることが必要になりますが、中には、通常では入手困難なネジ仕様での製作を要求されることもあります(例えば、台形ネジTr6×P1.0用のネジ切りバイトは市場で流通していない)。そういった場合は専用メーカーに仕様に合わせてネジ切りバイトを製造してもらい、それで樹脂ネジの切削加工を行う、ということになります。

 

いずれにせよ、樹脂製のネジ・ボルトの中で大量生産で流通しているもの以外は、バイトなどの工具があれば何とか製造は可能ですが、その樹脂の材質特性をよく知った上で加工を行うことが必要です。

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