プラスチック博士じゃ。さいきんプラスチックの在庫がないとか騒いでいるのぅ。「テフロンの在庫ある?」という問合せもよくもらうので、いま(9月25日時点)の最近の情報を伝えるぞ。(byプラスチック博士)
樹脂・プラスチックの業界は、景気や受注変動の影響をよく受けやすく、過去も半導体業界が忙しくなると塩ビやテフロンなどが入手困難になるということが繰り返されてきました。昨今(2021年9月時点)も似た状況になっており、プラスチック切削加工.comを運営するケイプラビジョンにも「テフロンの在庫はないか?切削できないか?」というお問い合わせをよく頂いております。そこで、現時点での状況を下記にてお伝えしたいと思います。
①テフロン
半導体製造装置にはテフロンが多く使われるため、半導体製造装置メーカーの生産量により、過去も需給が切迫したことがありました。現在はこれに加えて、テフロンに使用される原料が中国やロシアからの調達になる関係で、日本全国で入手が困難になっています。
②PP
現在、一部メーカーのサイズが入手困難な状況です。こちらのテフロンと同様半導体製造装置の需要に影響を受けています。また、10月以降に値上がりする予定です。
③塩ビ
塩ビは、半導体製造装置の生産量に大きく影響を受ける樹脂材料の代表格ですが、もちろん現在も需給がひっ迫した状況にあります。様々ある塩ビのグレードの中でも、特にFM材の入手が困難になっています。この影響を受けて、標準グレードの入手性も悪化しつつあります。
④PCTFE・PVDF
こちらも半導体製造装置に使われる材料で需給がひっ迫しています。テフロンなどは数社が手掛けていますが、このPCTFE・PVDFはメーカーが2社くらいしかなく、もともと生産キャパがない為、供給が不安定になりがちです。
⑤6ナイロン・66ナイロン
切削加工に使用するナイロンは6ナイロン・66ナイロンですが、ナイロンという材料全体が、原料の入手困難に陥っています。さらに2021年の秋口に値上げも予定されています。
⑥アクリル
コロナ対策のパーテーション用途などで一気に需要が上がりなかなか入手できない状況にありましたが、今は落ち着きつつあるようです。
以上、切削加工に使用する樹脂の中で、代表的な材質についての情報をお伝えしましたが、これ以外にもPCやPEEK黒なども価格が上昇する、MCナイロンの導電性グレードでメーカーによっては在庫を切らしているという情報もあります。材料が入手できず・価格が上がってしまったなどのお困り事がございましたら、いちど当社にご相談頂ければご提案が可能かも知れませんのでお気軽にお問い合わせください。