プラスチック博士じゃ。樹脂材料の入手が今までにも増して困難になって来ておる。そこで最新の状況をレポートしてみたぞ。入手が出来ない材料で設計して後で困らないように、しっかりとこのブログで『情報を入手』してくれ!!(byプラスチック博士)
昨年9月にも同様に樹脂材料の入手・価格情報についてお伝えさせて頂きましたが、昨今(2022年2月時点)さらに樹脂材料の入手が困難になっています。実際にプラスチック切削加工.comを運営するケイプラビジョンにも「テフロンの在庫はないか?切削できないか?」というお問い合わせを頻繁にいただいております。そこで、現時点での樹脂材料入手状況・価格情報を下記にてお伝えします。
①テフロン
PTFE
入手は困難な状況は続いていますが、昨年9月に比べると、入手状況は緩和傾向にあります。現在では、2ヶ月~3ヶ月待てば国産品を入手することが可能です。ちなみに、海外品の場合は2週間~1ヶ月と早く入手することが可能です。
PCTFE、PFA
国内メーカーは受注を停止しており、入手不可な状況が続いています。納期は3年先の見込みですが、さらに伸びる可能性もありますので注意が必要です。現在、PCTFE、PFAを想定して設計を行っている場合は、計画の変更をお薦めします。
②PP
現在、一部メーカーのサイズが入手困難な状況です。昨年9月と比較しても、さらに入手状況が悪化しています。先行発注も含め、大量のPPの使用を計画している場合は、注意が必要です。
③塩ビ
半導体製造装置の生産量に大きく影響を受ける樹脂材料の代表格ですが、昨年9月と同様に入手困難な状況が続いています。そのため、昨年より度重なる大幅な値上げ(約20%)が発生しています。大量の塩ビの使用を計画している場合は、コスト面に注意が必要です。
④6ナイロン・66ナイロン
切削加工によく使用される6ナイロン・66ナイロンですが、昨年9月に引き続き海外からの材料の入手状況が改善されていないため入手困難な状況が続いています。6ナイロン・66ナイロン含めナイロン材料全体が、原料の入手困難に陥っています。
⑤アクリル
昨年9月時点では、コロナ対策のパーテーション用途などで一気に需要が上がりなかなか入手できない状況にありましたが、現在は入手状況に大きな問題はありません。
⑥MCナイロン、POM
昨年9月時点では入手状況に問題はありませんでしたが、現在はサイズによっては欠品があり、モノによっては納期回答すら得られない状況となっております。大量のMCナイロン・POMの使用を計画している場合は要注意です。
以上、切削加工に使用する代表的な樹脂材料についての情報をお伝えしましたが、これら以外にもあらゆる樹脂材料で材料不足や価格の上昇が発生しています。「材料が入手できない…」「価格が上がってしまった…」などのお困り事がございましたら、是非当社にご相談ください。現在、ご使用中の材質の代替となる最適な材質を可能な限り探して提案します。