何でもかんでもPEEK・PTFE・MCナイロンばかり使用しておらんじゃろうな?むやみにこれらの樹脂材料を選定していると、無駄な材料費がかかっているかもしれないぞ!そこで、今回は、これらの樹脂材料の代替品として使用することもできるPPについて紹介するぞ!このPPを上手に活用することで、コストを抑えた設計が可能となるんじゃ!是非、最後まで読んでくれよ!(byプラスチック博士)
耐薬品性・耐熱性が求められる場合はPEEKやPTFE、機構部品ならとにかくMCナイロンなど、安易に材質を選定していませんか?確かにこれらの樹脂材料は機能性が非常に高いです。しかし、用途によってはPPを使用することで、大幅なコストダウンが実現できる場合があります。下記のどちらかの条件に当てはまれば、コストダウンを実現できるので、是非チェックしてみてください!
耐アルカリ性が求められる場合はPPを活用!
一般的に耐薬品性が求められる場合、PEEK、PTFE等の樹脂材料が使用されます。しかし、実はPPも耐薬品性が非常に高く、特にアルカリへの高い耐性を持った素材です。(※PEEK、PTFEと比較すると、酸性に対する耐性は劣ります。)
さらに、PPの材料費はPTFEの約1/10、PEEKの約1/50と非常に安いため、耐アルカリ性が求められる場合は、PEEK、PTFEではなく、PPを選定することで大幅なコストダウンを実現することが可能です。
ただし、注意すべき点もあります。それは耐熱温度の低さです。PPの耐熱温度は90℃程度であるため、高温の環境下では使用することができません。一方で、PEEK、PTFEの耐熱温度は260℃程度であるため、高温の環境下であっても問題なく使用可能です。そのため、PEEK、PTFEの代わりに、PPの使用を検討する場合は、耐熱温度に注意をしましょう。
機械的強度が求められない場合はPPを活用!
一般的に機構部品としては、機械的強度が非常に高いMCナイロン、POM等が使用されますが、機械的強度が求められない場合はPPを活用することでコストダウンを図ることが可能です。まずは、下記にて、MCナイロン、POM、PPの機械的強度を比較した表をご紹介します。
上記の表から分かる通り、MCナイロン、POMと比較すると、PPの機械的強度は非常に低いです。
しかし、前述の通り、PPは非常に安価な樹脂材料であり、材料費はPOMの約2/3、MCナイロンの約1/4となります。そのため、高い機械的強度が求められない場合は、MCナイロン、POM等ではなく、PPを使用することで材料費を大幅に削減することが可能です。製品に求められる機械的強度を鑑みて、上手にPPを活用しましょう。
最後に
樹脂材料をうまく選定することがいかに重要であるかお分かりいただけましたでしょうか。今回ご紹介した各項目のポイントをしっかりと押さえた上で、PPを活用することで大幅なコストダウンを実現することが可能です。PEEK、PTFE、MCナイロン等ばかりを使用している方は、今一度材料の見直しを行なってみてはいかがでしょうか。
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