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プラスチック博士のブログ

耐熱性に優れた樹脂材料とは?

みなさんは、樹脂といえば、熱に弱いといったイメージを持ってないだろうか?その通り、樹脂は、金属等と比較すると、熱に弱い材料といえる。しかし、昨今、樹脂材料の使用用途は多岐にわたっており、場合によっては、金属の代替として使用されることもある。こういった動きを背景に、昨今、エンプラ、スーパーエンプラの中には、耐熱温度200度を優に超えるような樹脂材料も多く存在しているのじゃ。そこで、今回は、よりニーズが高まっている耐熱性に優れた樹脂材料を詳しくまとめてみようと思う!是非、当記事を読んで、実際の樹脂選定に役立ててくれ!(by プラスチック博士)

従来、耐熱性に優れた樹脂材料の最高峰といえば、ベスペル(PI)でしたが、樹脂材料の使用用途の多様化により、より高い耐熱性を持った樹脂材料が求められております。そのため、昨今では、ベスペルを上回る耐熱性樹脂も多数、登場しております。今回は、耐熱性樹脂の種類、機能について、詳しくご紹介します。

 

耐熱性に優れた樹脂材料とは?

一般的に耐熱性に優れた樹脂材料としては、PBI、PI、PTFE、PAI、PEEK、PPSが挙げられます。まずは、これらの樹脂材料の耐熱性、その他機能を下図にて比較します。是非、ご参考ください。

 

PBI(ポリベンゾイミダゾール)

上図の通り、PBIは連続使用温度310℃と樹脂材料の中で最も耐熱性に優れています。さらに、熱分解温度が600℃と、一時的であれば、600℃の高温にも耐えることが可能です。そのため、「とにかく、耐熱性に優れた樹脂材料が欲しい!」といった場合に最適な樹脂材料といえます。ただし、吸水性には優れていないため、水が使用される環境では寸法や機械的特性が変化する恐れがあります。(※吸水性は、グレードにより異なります。)

PI(ポリイミド、ベスペル)

PIは、連続使用温度が、260℃となります。その他の樹脂材料と比較すると、PIは引張強度が低いため強度が求められる環境下での使用には適していません。ただし、PIには多数の種類(ベスペル、SCM8000、ユピモール、TIポリマー等)が存在しており、各々で特性が異なります。中には、通常より機械的強度が優れたPI(例:SCM8000)も存在しますので、PIを選定する際には注意をしましょう。

PTFE(テフロン)

PTFEは、連続使用温度は260℃と耐熱性に優れていることに加え、樹脂材料の中でも最高クラスの耐薬品性を誇ります。一方で、欠点としては、機械的強度が低い点、素材が柔らかく寸法精度が出しづらい点が挙げられます。

PAI(ポリアミドイミド)

PAIの連続使用温度250℃と耐熱性に優れています。一方で、PAIは高温環境における伸びが少ないことが特徴として挙げられます。また、PAIはPBIと同様に吸水性に優れていないため、水が使用される環境下での使用には適していません。

PEEK

PEEKは、連続使用温度が250℃と耐熱性が優れていることに加え、寸法安定性、耐薬品性、機械的強度等に優れた万能型の樹脂材料です。これといった欠点もないため最も幅広い用途で用いられている樹脂材料の一つです。

PPS

PPSの連続使用温度は220℃となります。PPSは寸法安定性、吸水性に優れており、非常に精度が出しやすい樹脂材料といえます。その一方で、容易に欠け・割れが発生しやすいといった欠点がありますので、加工時には細心の注意が必要です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、耐熱性に優れた樹脂材料を詳しくご紹介しました。上述の通り、各耐熱性樹脂にはそれぞれ特徴がありますので、耐熱性樹脂を選定する際には、是非、当記事をご活用ください。その上で「耐熱性樹脂を探しているが、どれが最適か分からない……」といったお悩みをお持ちの方は、プラスチック切削加工.comを運営するケイプラビジョンまでお気軽にご相談ください。お客様のご要望に沿った最適な耐熱性樹脂をご提案いたします。

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