ホルムズ海峡がオープンになって、樹脂不足も安定?
連日ニュースを賑わせていたホルムズ海峡の問題ですが、一度は再開になったことで、日本政府も「原油の輸入・調達は今後安定化する」との見方を示しています。しかし、中東情勢は刻一刻と変わってきているので、現在も不安は続いているという状況ではないでしょうか。
実際にPPの「ペレット」は供給が安定してきましたが、実は切削加工の現場では、全く逆の緊迫した事態が起きています。民生品から工業製品まで、世の中に広く使われている代表格のPP(ポリプロピレン)やPOM(ポリアセタール)の供給が、壊滅的な状況に陥っています 。
なぜ、PP・POMの切削材料が手に入らないのか?
「ニュースでは安定すると言っているのに、なぜ?」と疑問に思われませんか。実は、樹脂材料や樹脂成形に使用する「ペレット」自体は、含めて安定して供給されています 。
しかし、ここに落とし穴があります。 そもそも樹脂市場全体を見ると、成形用のペレットが圧倒的なシェアを占めており、我々が使う切削用材料の市場規模はごくわずかに過ぎません 。そのため、ペレットから切削用の板材や丸棒を作る製造キャパシティ自体が、元々非常に少ないのです 。
その「ただでさえ少ない製造キャパ」に対して、現在は半導体関連の会社からの凄まじい需要が直撃しています 。 限られた材料を優先的に押さえにかかっているため、通常のルートにはもはや切削材料が回ってこない ……これが、今起きている恐ろしい現実です。
今、そのままPP・POMで設計を進めて大丈夫?
このような状況下で、これまで通りPPやPOMを前提とした設計を進めるのは、非常にリスクが高いと言わざるを得ません 。いざ図面ができても「たった1つの部品の材料が無いという理由で作れない、出荷できない」という事態になりかねません 。
そこで、皆様の設計・製造を止めないための対策をご提案します。
- 機械的強度を求めている場合(POMの代替)
少し価格は上がりますが、上位互換となる「MCナイロン」への切り替えをご検討ください 。MCナイロンといえば青色が一般的ですが、当社であれば「白色」も入手可能な場合があります 。
- 耐薬品性を求めている場合(PPの代替)
PPは耐薬品性を重視して採用されることが多いですが、単純にテフロンやPEEKなどのスーパーエンプラを代替品に選ぶと、材料費が跳ね上がってしまいます 。用途や条件によって適切な代替品は異なりますので、ぜひ一度当社にご相談ください。
- 海外メーカー材の採用
国内材の確保が絶望的な状況でも、海外メーカー材という選択肢が残されています。当社では、海外メーカーの条件に合う材料を入手できる可能性があります。ぜひお気軽にお声がけください。
まとめ
この深刻な樹脂の供給不安は、まだしばらく続くことが予想されます。「あの時、代替策を考えておけばよかった」と後悔する前に、現実的な一手を打つことを強くお勧めいたします。
設計や材料選定でお困りのことがあれば、プラスチック切削加工.comを運営するケイプラビジョンまでお気軽にご相談ください。お客様のご要望に沿った最適な樹脂材料をご提案いたします。
