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プラスチック博士のブログ

PEEKの種類について

PEEKはポリエーテルエーテルケトン樹脂の略で、耐熱性・耐薬品性に大変優れている素材として、半導体・医療・食品など幅広い業界・用途で採用されていることはよく知られていますが、一方で、PEEKと一口にいっても、供給するメーカーも複数あり、種類も多岐にわたることは、実はあまり知られていません。

簡単に、PEEKの全体像をお話すると、下記の通りとなります。

 

  1. PEEK基本グレード
    • 一般的にPEEKと言われるものは、この一般グレードを指します。250℃までの耐熱性を持ち、耐薬品性、機械的特性に優れています。
    • もちろん、マシニングや旋盤における切削加工にも優れており、非常に硬いことから高精度な切削加工にも向いています。
  2. PEEK擦動グレード
    • PEEK擦動グレードは、耐熱性や耐薬品性は一般グレードのまま、軸受けやライナーなどの擦動部品に使用できるように特性を持たせたものです。
    • 切削性に関しては、PEEK一般グレードと大きく変わらず、加工性に優れています。
  3. PEEK強化グレード
    • PEEK強化グレードにも様々な種類が存在しますが、PEEK内にガラス繊維も混ぜて強度を上げた「ガラス繊維強化グレード」が一般的です。主に、高い負荷がかかる構造部品に採用されます。
    • このPEEK強化グレードの切削加工性は、ガラス繊維が混ぜ込まれているためソリなどが発生しやくすなり、難易度が向上します。
  4. PEEK導電グレード
    • PEEK導電グレードは、静電気やほこりなどを嫌う環境での使用を想定されたPEEK樹脂の種類であり、カーボン繊維が混ぜ込まれています。
    • このPEEK導電グレードは、さきほど説明したPEEK強化グレードと同様、混ぜ込まれているカーボン繊維の影響で、切削難易度が上昇します。
  5. PEEK帯電防止グレード
    • PEEK帯電防止グレードは、体積固有抵抗が108~1010Ω・m程度であるPEEK樹脂のことを指し、PEEK一般グレードと同じような半導体や各種装置に用いられるPEEKです。
    • 切削加工性においては、PEEK一般グレードと同じく、精密切削加工に適しています。なお、この帯電防止グレードはプレート材しか入手できないので注意が必要です(他の材質は丸棒・角材で入手が可能)。
  6. PEEK医療グレード
    • PEEK医療グレードは文字通り、医療器具や手術器具の軽量化を目的に、生体適合性も考慮されたPEEK樹脂です(なお、こうした樹脂は生体適合性エンジニアリングプラスチックと称されます)。耐熱性・耐オートクレーブ性・耐薬品性・耐放射線性に優れており、近年金属の代替材料として注目を浴びています。
    • 一口にPEEK医療グレードといっても様々な種類があり、切削加工性においても様々な挙動を示します。詳しくはお問合せください。

 

ここで説明したのはPEEKに関するほんの一部の情報です。もしどのPEEKを使えばいいのか?という材料のご提案から、よりコストダウンをしたい、あるいは高精度なPEEK切削加工品が欲しいなどのご相談がございましたら、お気軽にお問合せください。

 

 

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