樹脂・プラスチックの切削加工品のコストを下げたい!というのは、このコラムをご覧頂いているすべての方が考えていらっしゃることかと思います。今回は、そんな樹脂・プラスチック部品に関わる方のために、切削加工品のコストダウンを行うために重要な視点・アイデアをお伝えしたいと思います。
まず1つめは、何と言っても
用途に合わせてプラスチック・樹脂の素材をきちんと選ぶこと です。
よくあるケースとしては、耐熱性が欲しいからPEEKを選択、というのがありますが、用途をお聞きすると、実は温度は150℃程度であり、PEEKでなくてもPPSで済んでしまう、ということもあります。
また、耐薬品性についてもPEEKなら安全だろうということで採用されがちですが、よくよくお聞きするとPPでも問題なく使えた、というケースも非常に多くあります。
これらの材質のコストについて概算でお伝えすると、PEEKの材料費を100とした場合、PPSは70、PPは10以下となります。オーバースペックで材質を選んでしまうとコストが高くついてしまうのは、お分かり頂けると思います。
2つめは、材料メーカーをできるだけ指定しない ことです。
例えばステンレスSUS304であればどこも材料メーカーでもあまりコストは変わらず、コストダウンを行うにはSUS303を選択する、という事が金属切削加工ではあるのですが、樹脂・プラスチックの場合は、同じ材料の種類でも、メーカーが違えば40%もコストが変わる、というものもあります。このことは樹脂・プラスチック業界特有のものと言えるかも知れません。
そして、材料メーカーを指定しないことで大きなコストダウン効果が見込める材料は、たとえばPEEK・PCTFE・6ナイロン・PTFE・PVDF・MCナイロンなどがあります(コスト差が大きい材質順に列挙しています)。これ以外の材料でもメーカーを変えることでコストダウンができる可能性はありますので、どうしてもそのメーカーのものが指定でないとダメという場合は除いて、設計段階ではできるだけ指定しないほうが得策なのです。
プラスチック切削加工.comを運営するケイプラビジョンでは、こうした事を考慮した各種ご提案をさせて頂くことでお客様のコストダウンに貢献いたします。小さなことでもご相談頂ければ、樹脂・プラスチックの親身になって課題を解決するためのご提案をさせて頂きます。