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プラスチック博士のブログ

アクリルの材料種類について

アクリル(略称:PMMA、正式名称:ポリメチルメタクリレート樹脂)はプラスチックの中で最も透明度が高いという特徴があり、とても身近な樹脂になりますが、材料の種類も意外と多く製法の違いや用途により様々な種類が存在することは、あまり知られていません。

 

<アクリルの製法について>

 まずは製法ですが、セルキャスト製法(通常はキャストと呼ばれる製法)と押出製法のふたつがあります。それぞれの特徴は以下の様になり、製法により異なります。

 

キャスト 押出
切削加工がしやすい 切削加工がやりにくい
接着しにくい 接着しやすい
型の大きさが規格のみ 幅の制限はあるが長手はある程度長く作れる
板厚の厚いものが出来る 板厚は20mm程度まで
色の種類が豊富 色の種類が少ない
価格が高い 価格が安い

 

上記のように、アクリルは製法の違いにより特性が異なるので、使用する材料を加工内容に合わせて決めていくことが一般的です。

 

<アクリルの種類について>

 さらに、アクリルは用途による種類も非常に多く、見た目や色合いだけででも無色透明、色付き透明、色付き半透明、色付き不透明があります。さらに表面も通常はツルツルですが、マット仕上やカスミ仕上、ミラー仕上など様々な種類があるほか、帯電防止、耐衝撃、紫外線カット、紫外線透過など特殊な用途向けの材料も沢山あります。

 

<アクリルの材料形状について>

 アクリルの材料形状は、板材だけでなく丸棒やパイプ材もあり材料の形状も豊富です。アクリルの板材や丸棒は、製法によりそれぞれキャスト品と押出品があります。寸法精度が必要な加工品にはキャスト品、コスト面が重視の場合は押出品が使われます。また、パイプ材については押出品と注型品があり、押出品はΦ30以下の小径のものがメイン、注型品はΦ10程度から大きいものではΦ1000のものまであります。さらに長さも1mから最長4mまであり(1mキザミ)、肉厚も片肉が1.5mm~20mmまで外径に応じて沢山の規格が存在します。

 

<アクリルの用途について>

 アクリル樹脂は部品加工だけでなくカバーやパネル、水槽などにも多く使用されています。透明度が高くカバーやパネルに多く使用されるアクリル樹脂ですが、衝撃には弱く割れた場合は鋭利な割れ方をするので、特に食品工場などの現場で使用する際は注意が必要です。割れが懸念される場合には、割れに強いPC(ポリカーボネート)、PET、PVC(塩ビ)などをお勧めすることもあります。その他、アクリルは接着剤による接着や特殊な溶剤や設備などを用いた重合接着など接着・溶接なども出来る材料です。水族館などの巨大水槽は先程説明した重合接着で分厚いアクリル板を特殊な技術によりキズも気泡もないように何枚も重ねて接着させたアクリルが使われています。

 

このように一般的には透明な樹脂として知られるアクリルですが、いろいろな製法や種類があり、用途も様々です。身の回りのものにはあまりないかも知れませんが、大きな水族館の水槽はほとんどがアクリルでできています。ぜひ、今度水族館へ行かれた折にはこのウンチクを是非思い出してみて下さい。

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